卒業生の皆様へ(理事長メッセージ)
2021.03.15
卒業生の皆さん、このたびはご卒業誠におめでとうございます。また、保護者の皆様にも心よりお慶び申し上げます。
今年度は何と言っても新型コロナウイルスに翻弄された一年でありました。当初は感染予防の観点から皆さんに登校してもらうことすらできず、オンラインという形態で授業が始まりました。
私たちはオンライン授業を開始するにあたり、できる限り通常の授業と同等の効果が得られることを第一に考え、質の向上を図るべく試行錯誤を重ねてまいりました。学生の皆さんも慣れない授業形態に特に最初は四苦八苦されたことと思います。また登校できるようになってもマスク着用、検温、換気、会話の制限といった様々な制約が課され、不自由さを感じ続けた一年だったでしょう。そういった状況の中でもしっかりと学びを続けこうして卒業を迎えられた皆さんに改めて敬意を表する次第です。
さて、いま社会ではコミュニケーション能力、協調性といったものが特に強く求められています。自分とは異なる性格や個性、能力を持つ他者を尊重しながら仕事のできる人材が求められているのです。そのためには、自分が正しいと決めつけず、他者の意見にも耳を傾け柔軟に自分の考え方や行動を変えていくという姿勢が必要です。進化論で有名なダーウィンが残した言葉で、「最も強い者が生き残るのではない。最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは環境に合わせて変化することのできる者である。」というものがあります。これはまさにこれからの新しい時代を生きる私たちに向けられた言葉だと思います。
ただ、多くの人にとって自分を変えるというのは非常に勇気のいることです。しかし自分が変わらずして他者を変えることはできません。自分が変わることで他者にも良い影響を与え、結果的により豊かな人間関係を築くことができます。皆さんには自分を変える勇気を常に持ち続けていっていただきたいと思います。
現代社会は環境問題をはじめ多くの課題を抱えており、将来の見通しも決して楽観視できるものではありません。しかし、昔の人たちがどんな状況に置かれても明るい未来が来ることを信じて疑わずに一日一日を懸命に生きてきたように、私たちもそんな先人たちの想いを胸にこれからの明るい未来に向けて共に進んでまいりましょう。
最後になりますが、皆さん一人ひとりが新たな一歩を踏み出し、本学園の卒業生としての誇りと品格をもって、健康に恵まれ、希望に満ちあふれた人生を送られることを心から祈念し、私からの挨拶と致します。
令和3年3月15日
学校法人 北杜学園
理事長 鈴木 一樹